Gakuen+Gigolo
何処にでも居るようなごく普通の、どちらかというと地味目の眼鏡っ子「千恵理ちえり」は先生に頼まれたものを探し、学校の倉庫に入る。
倉庫の中は薄暗く、埃が積り、人の手が入っていない場所だという事を感じさせた。そんな薄闇の中、嵌め殺しの窓から差し込む光りに照らされた1冊の古い書物があった。綺麗な装丁のそれに興味を引かれた知恵理は、ついページを開いて読んでみる。
日記の持ち主は“せん”と言う名前の少女。当時和製ジゴロと称されていた男性との恋の末、不幸ながらも決意を胸に亡くなった人だった。「彼女は強く生きたのだ」と安堵したその時、せんの決意が書かれたしおりは宙に浮かび、脅える千恵理の胸に溶け込んで行った。
それ以来、千恵理は恋に悩む乙女達の心の波動感じる度に「SEN」に変身してしまうようになった。そんな彼女を学園の乙女達は学園ジゴロと呼び、憧れる者も多い。千恵理の親友麻子もその一人だった。
彼女は千恵理の唯一人の親友だが、事が事だけに話す訳にもいかず、真実を打ち明ける事もできないままだった。
そんなある日の夕方、クラスの雑事に帰りが遅くなってしまい、大急ぎで廊下を歩いていると、1年の教室の中から何やら争う声が…!千恵理が恐れていた最悪のタイミングで、SENに変身してしまう(下の絵)。

一人取り残された女の子は、カップルになれたまでは良かったけれど、怖くてそれ以上に進む事が出来ないと脅えていた。SENはそんな女の子に優しく2人が結ばれる方法を教える。
数日後、2人が晴れて結ばれた事を知らせる制服のリボンが、中庭の薔薇のアーチに結び付けられた。学園内はその話で持ちきりだったけれど、一人真実を知る千恵理は窓際の席で居眠り。親友の麻子が説教をするが、やはり唯何も言えず…。
大興奮の麻子は、学校の演劇部のライターの一人。今度の作品「Gakuen+Gigolo」が演目に選ばれたとかで、2人して喜ぶも束の間。あっという間に引き摺られて中庭に連行されてしまった。引き摺られながら千恵理は、SENの噂話をする学園の女の子達の笑顔を見て、SENに変わってしまうのも、悪いものではないかもしれないと思う。   End
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