DecoReturnMatch
表紙と裏表紙です
7年越しの思い人、瑞樹が由菜のクラスに転校して来て2週間が経ち、瑞樹はすっかりクラスに馴染んでしまい、それどころかクラスの人気者になりつつあり…。
この日の体育の授業は、4チームに分かれての対抗試合で先に試合をしていた瑞樹をクラス中の女の子達が大声援。それを見つめる由菜は、ちょっと複雑な気持ちになっていました。
それは先日の瑞樹が転入して来た日に、クラスの子達全員の目の前でキスをしてしまった事も有るけれど…子供の頃の瑞樹と、今の瑞樹とのギャップ。
確かに昔と比べると外見はまるで違うのだけれど、仕草とかが完全に違う訳でもなくて…そのせいでつい瑞樹を避けてしまっていた。
そんな事を考えつつ、少し暗い気分で試合を見ていると、同じチームになった親友の雪が、隣に座って由菜の考えていた事を半ば強引に聞くが、7年も経っているのだから変わっていたとしても当たり前だから、もっといろいろと瑞樹を良く見てやれと諭してくれる。本文見本そして、あのタイプは女子校ではもてる!とも…。
雪はそういうけれど、由菜にはゲームが終わり、同じチームの子に囲まれる瑞樹を見ても、自分が妬いていいのかすら分からなかった。
そんな事を考えていると、バレーボールが由菜の顔面にクリーンヒット。走り寄る瑞樹の声に顔を上げると由菜は鼻血を吹いてしまっていた。
それを見た瑞樹は大慌て。見かねた雪がタオルを差し出し瑞樹を叱咤すると、やっと正気に戻り、由菜をお姫様抱っこで保健室に連れて行ってしまう。

…死にたいと思う程恥ずかしい気分の由菜を手当てしつつ、やや青ざめた瑞樹の顔色を、保険医が指摘する。すると瑞樹は血に弱いという。確か昔はそんな事は無かったと由菜が思っていると、、保険医は小用が有るから出かけるので、時間一杯まで由菜を休ませるように瑞樹にいい保健室を出て行く。(左図)

またも昔と違う所を知ってしまった由菜。
なのに、ときめく自分が不思議で、不安で…つい俯いてしまう。それを見透かすかのように瑞樹は由菜の手を取り、もう絶対に1人にはしないと約束してくれる。

教室に帰るとクラスメイト達の嬌声で歓迎を受けた二人だったが、既に過ぎたファン化していた数人が瑞樹を取り巻き、保健室での事を聞こうとする。ところが瑞樹は2人の始めての話を勘違いし、初Hは小学生の時だったと話してしまう。それに驚いた数人は口々に唯の子供のお遊びだったのではないか?後悔するから考え直せと瑞樹に迫る。
ところが瑞樹は笑顔のまま、怒る事もせずに否定もしなかった。
由菜はその子達の言っている事を瑞樹に否定して欲しかった。私達は今も子供の頃も本気だと。
けれど曖昧な言葉で逃げた瑞樹が、7年前の”みずきちゃん”とは全然違う人に見えてしまい、由菜は泣きながら教室を飛び出してしまう。
またも突然の事に立ち尽くしてしまった瑞樹を、雪が「追わないならあんたの位置は私が貰うから!」という。
そう、雪も由菜の事をずっと好きだったのだ。けれど瑞樹は「今の位置は誰にも渡す気はないから」と言って走っていった。
残された雪の「私もとんだお人よしだよ」とつぶやいた声は誰にも届かなかった。


由菜の後を追いかけて学校中を走り回った瑞樹は、屋上でやっと由菜をみつける。
けれど既に7年の空白に昔と今の瑞樹が同一人物には見えなくなってしまった由菜は、全て終りにしようと言い出した。
それを聞いた瑞樹は駄々っ子の様に「嫌だ」と繰り返す。それを見た由菜はカッコ悪いと言い放つが、瑞樹は昔から自分はカッコ悪い奴だった、転校する時に何も言えずに去ったのも、由菜が流した血を見て逃げてしまったのだ自分はかっこつけのヘタレだと。けれど転校初日に由菜を見て、本当に由菜が好きだったと気付いたと由菜に囁きつつ体を求める。
そして由菜も瑞樹に抱かれながら自分が唯、理想になりつつあった”みずきちゃん”と今の瑞樹を比べていただけだと気が付いてしまう。
そのことを謝らなければいけない。けれどいろいろな事が一気に分かってしまった由菜は混乱して、その場を逃げ去ってしまう。
それを偶然見かけた雪は由菜の後を追いかける。
夕暮れの公園でベンチに腰掛ける2人だったが、雪が先に話し始めた。
もうこんな泣いてばかりの恋は終らせるべきだと。自分ならこんなに泣かせはしないと口にしようとした時、由菜の言葉によって遮られてしまう。…もう心は決まっているのだと。
いえなかった言葉を誤魔化すように由菜をからかっていると瑞樹が髪色を元の黒髪に戻し走ってくる。
それと入れ替わるように雪はその場を去ってしまうが、後にこされた由菜は気まずいばかりだった。
けれど瑞樹がもう自分にも由菜にも正直で居ると宣言した。またけじめとして髪色を元に戻したと。
それを聞いた由菜は一歩踏み出し、瑞樹の真正面に立ち、「これならどんなに自分を飾って嘘をついても、全部を見える」と言う。
それは今まで以上に好きになるための、最初の1歩だった。・・・・・・終
2006.8.13発行 全40P 
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